とりあえず基礎知識

新体操ではありません

ひとはなぜ、体操と新体操を混同するのでしょうか?

今でも「新体操の内村選手」と普通に書いている方を見かけます。
かくいう私も、最初に体操に興味を持った時は、
体操ってリボン使うんじゃなかったっけ?
… と思っていました。
新体操の浸透率おそるべし。実は器械体操に比べるとテレビ放送があまりない新体操なのですが、一定の年代には、某野球漫画のヒロインの影響がある気がします。なお、新体操は英語で「Rhythmic Gymnastics」です。決して New! とかはつきません。

当サイトで扱う器械体操は「Artistic Gymnastics」と言います。
男子体操を MAG、女子体操を WAG と略すのが割と一般的です。

新体操について詳しくは 日本体操協会 内へ。
男子新体操は日本独自の競技で、手具も使いますがタンブリングの要素があり、女子とはまた違ったものになっています。
日本体操協会が統括する競技はほかに一般体操、スポーツアクロ、トランポリン、エアロビなどがあり、このうち五輪種目は「男女体操・女子新体操・男女トランポリン」です。

男子は6種目、女子は4種目

男子 : ゆか - あん馬 - つり輪 - 跳馬 - 平行棒 - 鉄棒
女子 : 跳馬 - 段違い平行棒 - 平均台 - ゆか

これを「正ローテ」と呼びます。理由は知りません。
正ローテが特別有利というわけでもないようです。
あえて言うなら、落下のある種目スタートは嫌というのはあるかも。

体操の試合は、通常6人程度の「組」に分かれた「班」で行われます。
男子の場合、1組はゆかからスタートして鉄棒で終わり、2組はあん馬からスタートしてゆかで終わり。3組はつり輪からスタートしてあん馬で終わり… という具合にスライドしていきます(女子も同様)。
なので、男子は6組、女子は4組が1つの班に収まるのが理想ですが、人数が多くて7組(5組)以上に分かれる場合は、どこかに「休み」のローテーションが入ります。これが入ると見ていてちとややこしい…。予選は、たいてい2班以上になります。試合を1日に2回以上やるわけで、審判は大変ですね。

英語では Subdivision、たいてい略して Sub.と書かれているのが班です。

団体・個人総合・種目別

団体は各チーム4~6人程度で(リオ五輪は5人)行われる団体戦。
個人総合は個人で全種目やる試合 (All-Around)。
種目別 (Event Finals) はその種目だけの試合です。

以下は、基本的に 五輪・世界選手権 など大きな国際大会の様式です。

競技Ⅰ : 予選
競技Ⅱ : 個人総合決勝
競技Ⅲ : 種目別決勝
競技Ⅳ : 団体決勝

規則では上の様に呼ばれますが、実際に行われる順番は、予選・団体決勝・個人総合・種目別です。本来二番目の団体決勝を「競技Ⅳ」と呼ぶのは、昔は団体予選がなく競技Ⅰが団体・兼予選だったせいか。また「競技Ⅳ」がなく個人のみの世界選手権もあります。

団体を組まない or 団体出場できない国の選手も、団体と一緒に競技Ⅰ(予選)に出場します。スタートリストに MG(ミックスグループ)と書かれるのがそうです。

以下はリオ五輪までのルール。以降変更される予定
団体出場権のある国は、団体メンバーと別に個人選手をエントリーすることはできません。
また、予選は 5-4-3(5人のうち4人が演技して、上位3演技の点をとる)なので、団体全員が全種目演技することはできません。よって、個人総合決勝に進めるのは「団体予選で全種目まかされる選手」だけということになります。