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2001年・NHK杯

長崎県佐世保市で行われた、世界選手権代表選考会、兼NHK杯。
あ、逆か。
・・・ってなわけで、どうも「NHK杯」そのものより、代表選考という意味合いが強いこの大会ですが。
今回は網走以来、久しぶりのテレビ観戦となりました。
以下、簡単に感想を綴っていきたいと思います。

まず、女子の競技を・・・の前に。「NHK杯栄光の記録」のような過去の映像が流れる。おお、いきなり池田敬子さん。やはり遡るとこの人ってことになるんでしょうかね。さらに小田千恵子さん。加納弥生さん。どっちも選手として動いているところを初めて見ましたよ・・・。小田さんは塚原選手のお母さん、加納さんは一時解説でおなじみだった笹田さん。で、現在の解説者である森尾さんに小菅・菅原という近年の両エース。なるほど。と、駆け足で日本女子体操の歴史を見る。
さて、今回は菅原選手に次ぐエース・・・の地位を確立するはずだった山脇選手が欠場ということで、全員に初優勝がかかった試合。その中では一番実績があり優勝に近いのは竹中美穂選手、と思われたのですが。
3種目を終了したところで(3種目終了って、女子の場合75%終了してるってことなんですけどね。NHK。)トップは佐原礼香選手。2位に溝口絵里加選手がつけて、竹中選手は3位。さらに最終種目のゆか、佐原選手は平均台に続いて3回ひねりの見せ場が完璧に決まり、ほぼ優勝が見えてきました。
溝口選手も高校生になり、代表争いに加わってきました。ゆかはラストのミスが痛いですが、困った眉が可愛いなぁ。って、どこを見てるんだ私は。でも私、溝口・大島・市川・上村の見分けがまだついてません。今回で2人はわかるようになったが・・・。
その大島選手のゆかの前に、ちらっと水鳥選手の跳馬が映る。ちなみに水鳥選手は、跳馬の助走の前にポーズをつけるとこがかぁいいなぁと東アジア大会のときに思ったんですが(いつもやってるのかどうか知りませんが)。で、大島選手のゆか。良かったですねー。解説でも強調されてましたが、前方系のシリーズ(伸身の2回ひねり+伸身前宙)。14歳という年齢と身長をいかした演技という感じもしますが、表情が良い。今回映らなかったですけど、平均台もいい演技しますよ。残念ながら今回は年齢的にまだですが、アテネの有力候補はまちがいなし。
一方、北村彩子選手は大学3年。しばらく日本代表にもなっていなかったんですが、今回上位にきたのには驚き。ローザンヌの頃は、スタイルはいいんだけどちょっと細すぎるかなーと思ってたんですが、大人っぽくなっていい感じじゃないですか。今回の代表では唯一の大学生の彼女、ベテランの表現力でチームをひっぱってほしいですね。
さて、優勝候補だった竹中選手ですが、2本目のタンプリングで失敗。ちょっと表情も冴えなかったですね。でも、ご心配なく。代表には入ってきました。続く真辺選手も同様、NHK杯は佐原選手がセーフティリードですが、代表には入ってます。ゆかは曲を変えてからの方がずっといいですね。
その他、あと一歩のところで今回代表から漏れてしまった選手・・・。中瀬選手や大須賀選手にはユニバで頑張ってもらいましょう。あと、惜しいのが川村選手!2日目追い上げていたようなのですが・・・。

と、見ているうちに画面は男子に。
いや、白熱しましたね、6位争いが。
・・・。東アジア大会の予選でミス、代表から塚原選手が外れたときは、ちょっと寂しい気がしたものです。が、こうやって塚原選手が帰ってきて、また首位独走してるとつまんない。と思ってしまう、ああ、ファンって勝手な生き物。
で、女子と違って男子は放送時間が長いので割愛しつつ進みますが、意外にも鹿島選手の平行棒が映る。ていうか、あん馬を録画しておいてくれたほうが・・・と思いましたが、ほかの種目もいけるようになった ということで。でも彼はユニバの代表からも外れてしまったんですよねぇ。
で、女子のときにも流れた、栄光の歴史です。小野喬に遠藤幸雄、中山彰規、この鉄棒の飛び越し降りが再び流行する日は・・・こないんでしょうね、やっぱり。加藤沢男、笠松茂、具志堅幸司、さらに今日の解説の西川さんときて塚原直也。むっ、NHKのやつ、畠田好章を無視するとは・・・。塚原くんは現役でしょうが。
塚原選手を追う、冨田選手の平行棒。東アジア大会では素晴らしい安定感を発揮していたこの平行棒なんですが、今日はよもやのミス。しかし西川さんが注目してくださいって言うと、何故みな失敗してしまうのか(笑)。
8位につけている米田選手の鉄棒。やはり彼の脚線の美しさは、日本一。そして笠松選手も鉄棒。着地完璧で、ガッツポーズの嵐。いつ見てもなんか楽しそうなのが笠松選手の良いところとゆーか(笑)。この米田選手と笠松選手は、2班なので残り種目がゆか。ゆかは点が出にくいとはいえ、この2人には得意種目。そして、この2人が最後は0.100で明暗を分けることに・・・。
藤田選手の跳馬、平行棒。ケガのせいもあるのでしょうが、なんか「調子悪いときの藤田」を絵にかいたような。ローザンヌ、天津、シドニーと、調子の波を常に心配されつつ、きっちり日本代表にはなってきたのですが、今回はアウト。と思っていたら藤田選手、最後の鉄棒はなんなんですか、あれ(笑)。相変わらずかっこいいわ。・・・と、いろんな意味でファンの心拍数あげてくれる選手なので、藤田選手の代表落ちは実に残念なんですが、そこはニューフェースの佐野選手に期待しましょう(と、佐野選手の話題につなぐ)。
といっても。佐野選手はニューフェースではなくて、実は社会人2年目の選手です。これまで、あまり個人総合での好成績がなかったので、今回代表に入ってきたのは本当に意外。平行棒が得意で、学生選手権の種目別は2回制しているはず。屈伸モリスエをやる選手(平本選手も)という程度の印象だったのですが、昨年あたりから鉄棒はコールマンやったり・・・。でも、意外なところで出てきたなぁというのが正直な感想。遅咲きといってもよいでしょうか。男子選手は長く活躍できますからね。といっても、やはりピークは20代の前半から中盤。でも30歳まで五輪を目指すという岩井選手。いや、かっこいい。跳馬でミスしても、残り種目に引きずらないあたりがベテランの精神力でしょうか。また、常に一定の力を発揮してくれるという点で、斉藤選手も素晴らしい。代表になくてはならない選手です。解説でも言われていたように、なぜか大きなタイトルはないんですが(中日カップ勝ったけど)、内に秘めた能力はこんなもんじゃない、と周りに思わせるあたりが魅力というか・・・。
で、代表の5枠の上位は塚原・冨田・岩井・佐野・斉藤が占めそうなのですが、今回の代表は推薦枠が1名ある。しかし、これまでの例からいって6位になった選手が順当に推薦されると思われる。そこで注目の6位争いですが、前述の笠松選手と米田選手。0.100の差で米田選手が逆転。笠松選手は代表落ちとなってしまいました。でも、どちらかしか入れないわけですからねぇ。一昨年あたりからちょっと調子悪いかなという感じだった米田選手ですが、今年の大阪東アジア大会で代表復帰。斉藤選手同様、潜在能力が高いイメージのある選手。NHK杯で塚原直也に勝ったこともある人ですからね。活躍を期待しましょう。

てなわけで、優勝者インタビューでしめ。
塚原選手は相変わらず新技にこだわりがあるようですね(シドニーの前にも言っていた)。で、「本当に嬉しいんかい?」とつっこみたくなる佐原選手。緊張しているだけか、キャラクターなのか(笑)。キャラクターだったら、それはそれで面白いんですが・・・。

会場が小さいのかもしれませんが、お客さんけっこう入ってましたね。いいことだ。ドリームの2人の応援もあったかもしれませんが・・・。長崎の地方紙は、ちゃんと扱ってくれてるでしょうか。
(以上、遠征をさぼった管理人でした)