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1997年・全日本選手権

11月22日(土)・男女団体総合

 会場となった横浜アリーナは来年の国体会場でもあるということで、会場の感想を。
 えー、まず、大変きれいで、広い!
 これは天下の「横アリ」として当たり前ですが、体操会場としては町田や横浜文化体育館などと比較して、上のギャラリーから見下ろすという感じではないのがいいです。あれは見づらいんだ〜、はしっこでやってる競技が(主に跳馬。跳んだ瞬間の脚が見えることはあり)。ちなみに、私のかながわ国体おすすめスポットは、役員席の真裏あたりです(役員席=いいところ。なんですけど)。表彰式も見られますし、平均台・鉄棒が近いです。ちょっと男子跳馬が遠くなるのが難ですが。

 さて、初日の団体総合では、日本大学日本体育大学が優勝。女子は、実に久しぶりに朝日生命が敗れるという波乱がありました。男子は最終種目を残して日大がトップ。しかし最終種目で日大は男子にはやや点の出にくいゆか、日体大は平行棒とあって、日体大の逆転アベック優勝か?とも思ったのですが、日体大は跳馬で中村選手が負傷するアクシデントもあり、結局日大が逃げ切りました。小林選手はじめ、日大の方がタレントが揃っていたのかなという感想です。
 個人総合と種目別の予選も兼ねている団体ですが、なんといっても目立ったのは笠松昭宏選手。ゆかで8.750だった以外、あん馬の9.750をはじめ軒並み高得点で予選トップの成績。斉藤良宏選手も素晴らしい出来だったのですが、鉄棒の落下が響いて2位となりました。また、塚原直也選手は、伸身トカチェフで落下、つり輪もミスあり予選は6位でした。

11月23日(日)・男女個人総合

 これはテレビ放送があったのでご覧になった方も多いと思いますが、男子は塚原直也選手の連覇でした。得意の跳馬、平行棒でともに9.600。最終の鉄棒では、予選で落下した伸身トカチェフを抜くという安全策でしたが、とにかく大差で、途中から「これはきまったな」という感じでした。2位は今大会とても光っていた笠松選手。3位には全種目に穴がないという感じの栗原茂選手が入りました。つり輪が強いです。だから、つり輪も放送してってば、NHK(男子は必ず跳馬から始まって、有力選手のあん馬がVTRで紹介される程度。ワンパターンなんじゃ〜)。
 以下、主に鉄棒の感想。
 笠松昭宏選手のゲイロード2は、やはり会場の目をひきました。今でも十分人気のある選手だと思いますが、今以上にスターになる要素が感じられます。大技といえば斉藤良宏選手は前日に引き続き伸身コバチに失敗してしまいました。斉藤選手は最終日の種目別には欠場。同じく順天堂大の米田功選手もそうでした。鉄棒といえば、米田選手の鉄棒も非常に美しい!また、今回いまひとつ波にのらない感じだった藤田健一選手はコバチ、さらに予選では落下したデフを決め9.700。これが個人総合の鉄棒では最高得点でした(笠松選手が9.650)。しかし・・・塚原・笠松の白熱した争いの横で実に何気なく(笑)行われた演技だったため「もう一回見せて(涙)」という感じでした。
 注目の大技といえばコバチ一回ひねり(コールマン)。山田辰也選手は初日の団体では2回とも決めたものの三宙の着地が決まらず。個人総合では落下してしまいました(2度目に成功)。今大会で同じ技をやっていた小林正明選手については種目別決勝の項参照。
 また、高校生で唯一個人総合に残った清風の柳浩二郎選手も、健闘していました。一方、昨年の高校チャンピオンで今年日体大1年の西村圭一選手は予選で元気なく、個人総合に出場できなかったのが残念。

 女子の個人総合は、ほとんど見てないんですよ〜すみません。
 しかし、昨今の中学生台頭の嵐(?)の中、正直言って、菅原リサ選手の連覇はないんじゃないかと思っていました。が、リサちゃん強し!よく見たら、彼女の下には13位の益田圭子選手まで、大学生選手がいないんですねぇ。

11月24日(月)・男女種目別決勝

男子ゆか
 塚原直也選手、強いです。「あぶなげない」とはこういうことをいうのでしょう・・・。また、ゆかといえば平本将人選手もよいです。素人目の私には、塚原選手との差が判断できません。構成の違いなど指摘できる方がいましたら教えて下さい。本当は、種目別の放送があったらいいのになあ・・・。あと、ゆかで印象に残ったのは山田辰也選手の十字倒立と林弘策選手のゴゴラーゼの連続でしょうか。残念ながら今回は決まりませんでしたが藤田健一選手のシリーズもカッコいいです。

あん馬
 笠松VS鹿島!! 今回の軍配は笠松昭宏選手に上がりましたが鹿島丈博選手もすごくキレイで、なによりスピード感があります。が、今回はちょっと足がぶつかった場面があったかな??? あとの選手は接戦でした。今木重光選手も安定した演技で、上位と甲乙付けがたいと思う。また、小島正憲選手のは、笠松選手とかと比べると力で回るって感じで、私はけっこう好きです(なんか、意味不明の感想ばっかだな。すみません)。

つり輪
 最初に演技した山田辰也選手が9.600。このまま優勝かと思われましたが、最終演技者に今大会の予選、個人総合とつり輪でトップの得点を残してきた栗原茂選手が登場。ミスのない演技で9.700、逆転優勝をはたしました。余談ですが、このとき客席で私の付近に栗原選手のお子様がいらっしゃいまして(笑)。山田ファンの私も思わず「良かったわねぇ」と思ってしまったのでありました。

男子跳馬
 塚原直也選手は、めずらしく着地が少し乱れたような記憶が・・・。優勝は原田睦巳選手。また、1本目にローチェ(着地失敗したものの)を見せてくれた山田和弘選手が2位です。

平行棒
 ごめんなさい。このへん、ちょっとよく見てなかった種目です(^^ゞ)。優勝はローザンヌの銅メダリスト塚原直也選手。最終日唯一この種目に出場した西川大輔選手ですが、残念ながら落下でした!

鉄棒
 それまでの流れから笠松選手かな〜と思ったんですが、池谷直樹選手!シャオが見れるのかなと思いましたが違いました。とはいえ、とても有名な選手でありながら初の全日本タイトル。おめでとうございます。しかし引退ですか。また小林正明選手。後輩・斉藤良宏の勢いに押され気味ですが元祖埼玉栄のエースです。コバチ一回ひねり(コールマン)。見逃した私をお許し下さい(埼玉から新横浜三連闘の疲れがピークに達してたのよ)。小林選手も来春大学卒業組ですね。どこへ進むんだろう?それも楽しみです。あと、個人的には、多分今木重光選手だと思うけど、片手車輪入ってるのも好きです(少ないよね)

女子跳馬
 上位3人は接戦でした。渋谷実保選手は跳馬が得意ということで注目して見ましたが、初めて見た感想としては、同じ跳び方=前方の屈伸ダブルでも飛距離(ゴルフじゃないって)が違うかなと感じました。

段違い平行棒
 川井亜希子選手。文句なしです。個人総合の放送をご覧になった方は、おわかりになると思いますが・・・今、段違いの第一人者は川井さんということになるのかな?

平均台
 藤井滋子選手、見所はなんといっても後方伸身宙上がりからの連続技。それもすごくスピード感があるんですよ。まだ一度もTV放送で見たことないですが、ぜひ見てみたいです。あと、印象に残ったのは和雪梅選手。残念ながら落下(一回ひねりで)してしまったのですが、それ以外は着地含めすごく安定してました。

女子ゆか
 この、第3ブロックの種目別が行われている時、女子のゆかからはちょっと遠くの方にいたんですが、それでも中瀬直子選手の演技は目立って良かったです。ひねりがすごく軽やかで・・・。跳馬が得意なのかと思ってましたが、ゆかもいいですね。ラストの振り付けがちょっと変わってて面白いです。あと竹中美穂選手。前方抱え込みのダブルを決めるんですよ。これはかなりすごいです。真辺絢選手は、振り付けが独特でこれもいいです。戸田の選手は、大畠選手も曲を変えてましたが個性を出してますね。こういった選手の演技を放送してほしい・・・。いや、去年は「川井・奥本・田中を見せてよー」と思ったのが今年は出てるわけですから、きっと来年あたりはこういった選手が、ばしばしテレビに映るような全日本になることでしょう(期待)。あと、種目別ではいまひとつでしたが、田中実奈選手。彼女のゆかはすごい!振り付けも曲も可愛いし、体はやわらかいし、なんといっても、にこやかな表情で演技してるってのが魅力的です。