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全日本選手権・宮城

仙台市にある宮城県スポーツセンターで開幕した第54回全日本選手権。例年は3日間で行われる全日本が、今年は会場の都合で一日多い4日間に。つまり男女の団体を別日程で行うということですが、11月2日は思いっきり平日。このあおりをくって観戦できなかったという人も多いはず・・・。会場もなんとなく静かで、寂しかったです。

 さて、ファンにとって女子団体の注目は、やはり朝ク・戸田の一騎打ち。朝クは昨年度のメンバーから中村選手が卒業、今年は高3の山本選手をリーダー格に、残りは中学生中心のメンバー。ちなみに上村選手が中3、市川選手・大島選手・石坂選手はまだ中2という若いチーム。溝口選手はケガで間に合わず。一方、田中実奈選手は登録では補欠だったのですが出場してきました。また、戸田は真辺選手・名雲選手が高2、藤原選手・高橋選手が高1。小山選手が中2、全日本初出場の清水選手が中1という布陣。
 戸田はゆかからスタート、朝クは平均台でした。
 この平均台で、朝クは好調。特に市川千尋選手。前宙から後方の連続技は取り入れている選手が多いですが、中でも非常にキレのある実施で可能性を感じさせてくれました。中学生で、細いんですが「か細い」という感じではなくて、度胸もありそう。大島選手と共に、朝クの新時代を築くかと思われます。ところで、田中実奈選手はまだ本調子ではないようで・・・。でも、平均台ではあわや尻もちをつきそうだったのですが、こらえたところがさすがっと思いました。また、ゆかの表現力などは健在(それだけに、タンブリングでの失敗がもったいない・・・)。気がつけば高2ですが、来年に期待したいと思います。
 一方、全日本初出場の戸田の清水舞菜選手ですが、落ち着いた演技で平均台では種目別に残るなど、3年前の藤原選手を思い出させるデビュー。また、小山まるみ選手は誰が見ても「ほ、細い!」と思う細さ。タンブリングなんかして骨折れないんだろうかと思うほど・・・。ただ、足が長いので余計にそう見えるのかも。脚力がつけば芸術性という面でプラスになる?
 
 結果は、最初の種目で差をつけた朝日生命が、その後も優位を保って優勝。3位に四天王寺。4位に日体大。この、大学生の元気のなさは今回の特徴でした。なんせ個人総合に残ったのが、北村選手と大須賀選手だけなんですから・・・。その中で、社会人の白井理恵選手はほんとすごい。

11月3日(金) 男子団体

 男子団体、の前に種目別決勝予選会の話題をひとつ。日本体育大学の水鳥寿思選手、残念ながら決勝には進めませんでしたが、コバチ−コールマンの連続はお見事でした。仙台に行く前から「注目」と聞いていたので見逃さずに済んで良かった!

 女子が朝クVS戸田なら、男子は無論、大翔会VS徳洲会。全日本社会人の再戦です。大翔会は、なんとか大和銀行から存続できることになったチーム。徳洲会は、いままさに存続の危機にたたされているチーム・・・。どっちにも勝たせてあげたいといえばあげたいのですが。

 が、予想に反して試合は一方的なペースに。

 大翔会は平行棒、徳洲会はあん馬からスタートしたのですが、このローテーションがまずかったのか・・・一種目を追えての成績は徳洲会が0.275のリードという、まだわからないスタート。だったのですが。鉄棒でも大翔会の調子がおかしいというかなんというか。空回りなんでしょうか・・・。ラストの斉藤選手までもが落下(種目別に残れず)という内容で、つり輪を高得点で終えた徳洲会との差が開きます。さらに4種目めのあん馬で、それが決定的に。4種目を終わって、徳洲会が大差でトップ、順大と日体大がそれに続き大翔会は4位にまで転落します。
 結果、これが最後まで響き、つり輪と跳馬で大学生は逆転したものの、徳洲会が初優勝ということに。徳洲会は最後の鉄棒・ゆかは決して得点が伸びたわけではないのですが、つり輪・跳馬がききました。米田選手がつり輪で種目別に残って来るんだからすごい。ただ、斉藤選手同様、鉄棒で落下してしまったのが残念でした。種目別で見たい!と思う選手が種目別に残れないというのは、現行のルールでは仕方ないですけど、寂しい。

11月4日(金) 男女個人総合

 男女とも、実に見応えのある戦いでした!

 なんといっても、男子と女子の時間がわけられているのが嬉しい・・・。いままでは、つい男子に寄ってしまい、女子の優勝争いがまったくわからないなんてこともありましたから。
まず、女子の竹中・奥本の優勝争い、生で見ていてかなり面白かったです。これに竹田千重美選手と佐原礼香選手を加えた争いだったのですが、竹田さんは2班のため、ラストに跳馬を残している。佐原さんは段違いの降りで大技がありますが、得点差的に上の2人がゆか得意なので、どうかなというところ。結果は奥本さんを応援していた私としては残念でしたが・・・。テレビでも放送されましたが、着地が若干乱れてしまいました。ただ、竹中さんは平均台で失敗していますので、竹中さんがパーフェクトなら、もう少し差がついていたのかも。逆に奥本さんは跳馬の難度が低いので、確実に決めてきた今回がチャンスだったんですが〜。でも、竹中さんの初優勝も嬉しいですね。ケガと戦いながらだったでしょうが「五輪出場」で燃え尽きることなくて良かった。
 佐原礼香選手のトカチェフは、生で見ていても「大きい」と感じさせられました。降りも三回ひねり。ゆかも安定していて、難度も高いものを持っている選手です。あとは跳馬でしょうか?中3ということですが、年齢よりも落ち着いた物を感じました。

 続いて男子ですが、これはNHKの放送でご覧になった方も多いことと思います。
いきなり私事ですが、山田選手のファンとしては夢を見させてもらいました(笑)。2種目終了時点で、一瞬でも掲示板で斉藤・塚原をおさえたってのが嬉しくて。もっとも、3班に入った時から予測はしてたんですけど>一瞬トップ。まさか、鉄棒で落ちてしまうとはねぇ。

 さてと、通常の優勝争いに戻った5種目め以降(?)。

 笠松選手がつり輪で失敗、藤田選手はどうも、この日はいっこうに調子があがらない(キレるときはキレる、が、逆ギレすることもある?全社が良すぎたのか)。というわけで塚原・斉藤の争いに絞られてきました。
 平行棒で塚原リードかな・・・と思いきや、鉄棒までもつれ込み、会場の雰囲気はかなり盛り上がったのですが、いきなり塚原選手がアレですからね。アレ・・・。
 ズルイよ、塚原くん・・・。と言いたくなってしまった。

とにかく、男女とも一騎打ちで最終種目に入るという面白い展開に、見に行った甲斐アリでした。来年も分けてやってほしいな、個人総合。

種目別の日のメモがすっとんでしまって・・・