- 日時:2007/03/21 12:10
- 名前:元体操経験者・H
- あん馬の旋回で最も必要なものは、真っ直ぐに伸びた身体、体線とスピードでしょう。一見、筋力が無いと支えられない様に思われがちですが、あん馬は筋力と言うよりバランスの運動なので、崩れた時に姿勢を立て直す際に、若干の筋力を使うぐらいで、通常筋力は用いません。
その証拠に、小学校1年生でも上手い選手は何十回と旋回を回す事が出来ます。逆に筋力が有りすぎるとあん馬はぎこちない動き(固い動き等)となり、吊り輪のスペシャリスト等はあん馬が弱いのが通例です。
勿論、身体の締めは必要です。しかし、腕や上体に筋力をつけるよりは、バケツ旋回等に時間をかけて、体線の見せ方と、真っ直ぐな姿勢作り、スピードのある旋回の練習をした方が良いでしょう。
良く誤りがちなのは、前で大きさを作ろうと言う練習をされる場合が多いですが、そうでは無く、あん馬の旋回は後ろに身体が来た時に如何に身体が伸びきっているか?に係って来ると思います。後ろから旋回を回すイメージで、胸〜腰〜足先の順番に入れを行うと体線の表現が出来ます。
昔、清風の山口先生が旋回で釣るよりも、肩が落ちてでも良いから、その分スピードを上げる。そうする事により、遠心力で肩が上昇すると本に書かれていました。まさに現在のあん馬運動は、スピードが無ければ技がこなせない程、技が高度化しています。
開脚旋回も基本となる両足旋回の質が良ければ、左右の足の柔軟性があれば、すぐに倒立位置を経過する開脚旋回を覚えられるでしょう。
だから、あん馬に限って書けば筋力を重んずるよりも旋回の質にとことんこだわるべきでしょう。 実際、旋回が良い質のものであれば、演技をした後でも全く疲れが出ません。スピードに演技を乗せると言うか?遅滞なく演技がこなせた後と言うのは、全く腕にも疲れが出ず、身体にも疲れが出ないものです。
今、あん馬は技の時代ですが、その基礎は全て両足旋回!これが完璧にこなせない者は技をやっても必ずどこか?で詰まってしまいます。 逆に両足旋回の技術を完全にこなした者にとっては、マジャール移動でさえも単に前に移動しているだけで、A難度感覚でしょう。技をしたければしたい程、両足旋回の質にこだわれ!それが私の言いたい事です。
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