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恐怖心克服には
日時:2006/04/23 08:58
名前:ST
5年間体操の選手コースで下手ながらも練習してきた息子。何度か嫌になったこともあったが結局は体操が好きなことに気づき続けてきました。中学でも体操を続けて、大学になってもやっていたいと、体操の強豪校に入学しました。が、春休みに練習参加し、筋力とダッシュ力がついてきたと喜んでいたら、入学後、練習をサボっている様子。きくと、「こわくなった」と言います。そういえば、これまで、怖いと思ったことはなかったようです。アップとダッシュは平気だが、種目になるとこわくてちゃんとできないから、練習に行きたくないといいます。続けていれば克服できることだと思うのですが、息子自身が踏みとどまれるような、適切なアドバイスがあれば、してやりたいのです。

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体操は克服のスポーツです ( No.1 )
日時:2006/04/23 10:14
名前:元体操経験者
技が怖くなって、体操が嫌になったり、怪我をして体操から離れていく選手は多いのは確かです。しかし、体操は良く「克服のスポーツ」として例えられます。技が狂った時には、その技の基礎となる技を何度も繰り返して練習する事や、基本に返って自分を見つめ直す時期は、体操を長年していれば誰しもが超えなければならない試練だとも言えます。
それを克服してこそ、より強い選手になれるのです。
あの具志堅先生もモスクワ五輪の日本の不参加で、幻の五輪選手に終わりかけた時代がありましたし、その後2回のアキレス切断を乗り越え、ロスの五輪チャンピオンになられました。そういった時、誰しもが基礎に戻って自分を見つめ直す時期があります。私も片足を切断した時は体操を辞めなければならないか?と言う試練がありました。それを乗り越え陸上で日本記録を作りパラリンピックにも出ました。帰国後、体操で出来る種目は社会人体操にも出ました。技が狂った時や怪我をした時は、基礎を固めて技に望むチャンスと捉えて今の自分を見つめ直す時期である事、体操選手なら誰しもが経験する時期である事を理解された上で、的確なアドバイスをしてあげてください。
恐怖心克服には ( No.2 )
日時:2006/04/26 08:31
名前:体操大好き母
うちの娘もSTさんと似たような状態で、思わず書き込みさせていただきました。アメリカに居住、6歳から体操を始め、今14歳になってまもないところです。ここ3年半位で急にいろいろな技を覚え、技は、床での後方伸身2回ひねりや後方2回宙返りや、段違いでは2回宙返りおりやギンガー等を練習、楽にマスターしてきたものが、半年位前から、ほとんど突然、平均台でのバク転・宙返りが怖くなりできなくなり、そして跳馬でのロンダードからの入りが怖くなり、それから派生して床でのロンダードからのバク転まで怖くて出来なくなる日が多くなりました。特に主にバックタンブリングに支障が出てきて、アメリカでの1月から4月までが女子体操の試合シーズンの間、スポーツ心理のテープを聞いたり、筋力トレーニングを多くやったりして、出来る限りのことをして試合にのぞんだものの、試合当日に出来る日と出来ない日があって、成績も出来た日は良い成績が残せ、出来なかった日はもちろん大減点、コーチも本人もどうしていいかわからないような状態でした。本人は体操から離れる気持ちはないようなのですが、今、同じレベルのチームの子供たちがどんどん新しい技にチャレンジしていくのに、それを横目で見ながら、なぜバク転さえ怖くてできないのだろうと、本人がジレンマに苦しんでいる様子が見えるので、親から見てもつらい状態です。この問題が起こった原因を探そうとして過去の過程を思い出しても、これといった事は特に思い出せません。私としては、後ろ系が怖い間は、怖くない前系の技の発展に力を注ぎ、後ろ系は基礎のやり直しをしたらどうか、とか思うのですが。娘のコーチは娘のことを心配してくれているので、できそうな事は聞き入れてくると思います。どうかどんなアドバイスでも結構です。よろしくお願いします。
私も恐かったf(^^;)  ( No.3 )
日時:2006/04/27 13:25
名前:じむきち  <gymkichi-ba@fine.ocn.ne.jp>
URL:http://www13.ocn.ne.jp/~gymkichi/
私は高校生のときに鉄棒のツイストが一時できなくなったことがあります。真下であふってひねろうとしたとたん、心臓が「ドキン」となって、次の動作ができなくなってしまうのです。当時は本当に「催眠術か何かで解決できないかなぁ」と思ったものですが、幸運なことに試合のときの「度胸一発で」治ったような気がします。また、30歳過ぎに久々に出た試合では、つり輪の高さが恐くて恐くて・・・「よくこんなところで演技していたな」と思いました。

「恐怖心」とひとくちに言っても、いろいろありますよね。前者は「対象(≒原因)のはっきりとした恐怖、後者は漠然とした「自分の運動能力(と置かれた環境との不具合)に対する不安」のようなものでしょうか?後者の場合がSTさんの息子さん、前者の場合が体操大好き母さんの娘さんの場合にちょっと似ているかな?と思います。どちらも、自分の身を守るために自分の体が出してくれた大切なサインだと思います。
体がある経験を誤解して「恐怖」を誤って心に刷りこんでしまう場合もあるかもしれませんが、「妥当な原因」がある場合も多いものではないでしょうか?

>STさん
 息子さん、ご自分で「何が恐いか」を自覚しているのでしょうか? コーチ?部活の雰囲気?器具の高さ?どの種目?どんな技?それとも「強豪校の中で、自分じゃついていけないんじゃないか」っていう不安?・・・あせらず詰め寄らずにゆっくりとした問いかけを行って、本人が「何を恐がっているのか」を自覚することがまず第一なような気がします。
 あとは、チームメイトとの関係(協力・共有・競争)も大切ですよね。・・・この辺はどうなんでしょう?
素人考えで恐縮ですが ( No.4 )
日時:2006/04/27 13:42
名前:じむきち  <gymkichi-ba@fine.ocn.ne.jp>
>体操大好き母さん
「後方系は基礎の見直し」・・・大賛成です。おっしゃるように、基礎を見直して技術的な問題点を発見できたら、2回ひねりが3回ひねりに化けちゃったりして(^-^)V

「後方系」というシチュエーションははっきりしていますよね。何らかの事故になりかけた(平均台で着手に失敗しかけたとか)などという「一瞬」が過剰に脳裏に焼きついてぬぐえなくなった場合もあるかもしれませんが、実際にフォームが崩れて自分の「位置感覚」がわからなくなってしまっているということはありませんか?

・・・こうなると次の動作の先取りができなくなって非常に不安になります。すでにチェックされているかもしれませんが、たとえば後転とびの開始フォームや蹴る瞬間で「首の位置」や特に「視線」などが不安定になったりしていませんか?

また、その場でのスタンド宙返りは恐いでしょうか?または、ゆっくりしたバックブリッジは恐いのでしょうか?

・・・私がカウンセリングできるわけではないのですが、見ているどなたかのアドバイスのきっかけになればと思い、質問してみましたf(^^;)



後方系 ( No.5 )
日時:2006/04/27 19:44
名前:M(p^^)p
最近はトランポリンに漬かってるもんで体操のアドバイスはご無沙汰ですが、
後方系の宙返りが怖くなる理由の一番は、じむきちさんも書いている「首の位置」のような気がします。

首が早く返ってしまうと、方向感覚や視線が変わります。
その場で首を素早く上げただけでも視界が凄い速さで移るでしょ?
宙返りを行う際にそれをやってしまうと、体はまだ回転を始めていないのに視界は既に凄い速さで回転を始めていることになります。
これが感覚のズレを生じさせるらしいです。

稀に、目を瞑って宙返りを行う人がいますが、こういう人は大丈夫だそうです。
視界もなにもありませんからね(^^ゞ

手前ミソで恐縮ですが、トランポリンなどで首を返さない宙返りを練習するのも良いかと思います。簡単に跳ねて回転は出来ますから、首だけに意識を集中して練習することが出来ます。
また、トランポリンでは3/4宙返りとかも安全にできますから、宙返りの回転角度を変えながらの姿勢作りも容易です。
例えば・・・
後方1/4宙返り(背落ち)で後ろへ倒すことを繰り返す
後方3/4宙返り(腹落ち)で首と体と足先の位置を確認する
などです。

ありがとうございます ( No.6 )
日時:2006/04/28 01:12
名前:ST
みなさん、ありがとうございます。何となく、気分が軽くなったような気がします。いろいろなアドバイスや、他の技についての悩みの載った掲示板に、息子も元気付けられたようです。部活そのものは先輩も監督・コーチも素晴らしく、親しみと情熱を持って迎えてくれました。ただ、体操に向ける真剣さが、小学生時のスポーツクラブとは比較にならないほど必死であったそうで、自分の「好き」がそれほどのものなのかと自問自答して、自信がなくなってしまったとの事。それに加え、新入生の生徒会役員に指名されて責任を感じ、学校生活がとても重たくなっていたようです。監督から「まず学校に慣れろ。いつでも待ってる」と言葉を貰い、ストレスからは解放されつつあります。「ストレス・スランプ」という言葉に初めて触れ、初めて自分でじっくり「体操」を考え、がむしゃらに走り回っていましたが、明日、練習に出てみるつもりのようです。
ありがとうございます! ( No.7 )
日時:2006/04/28 04:27
名前:体操大好き母
みなさん、貴重でためになる助言をありがとうございます。元体操経験者さんの「技が狂った時には基本へ戻る」という姿勢、じむきちさんとM(p^^)pさんの「後方系への恐怖心の原因について」は、改めて考えさせていただきました。

じむきちさんが質問してくださったスタンド宙返りとブリッジは、娘の場合は問題ないようですが、スピードをつけて次の技に続ける時(例えばロンダードからの後転とびや後転とび連続等)でできなくなるようです。スピードとコントロール感覚のバランスに関連しているのでしょうか。話はちょっとそれますが、娘はトランポリンでいろいろトライしてみることが好きで昨夏までは、コーチの許可を得てチームの練習が始まるまで友達と少なくとも毎日30分から40分くらい、遊び感覚でいろいろな宙返りを試していました。秋からは、どうしても学校の授業時間との折り合いがつかず、トランポリンの楽しみはなくなってしまいました。あのトランポリンでの遊びは、空中感覚を養ういい練習になっていたと思います。

皆さんのアドバイスを読んでいるうちに、気がついたことがありました。正しいかどうかはわかりませんが、娘の年齢から、ここ半年くらいで身体が急に大きくなってきて、今まで考えることなく自然に出来ていた技のタイミングが少し狂ってきて、それを本人の自覚なしに、身を守るセンサーの方が働いて、今まで出来ていたものができなくなっているのではないか、ということです。後ろ系は見えないので怖い、と言っているので、その不安で余計できなくなっているのかもしれません。

やはり後ろ系は基本にもどって、アドバイスしてくださったように、「首の位置」や「視線」に意識を集中して、0にもどって練習確認し直すように言ってみます。本人、数日前から体操日記も付け始めたようで、きっとこれも役に立つであろうと思っています。
克服って、実は「発見」!? ( No.8 )
日時:2006/04/28 10:15
名前:じむきち  <gymkichi-ba@fine.ocn.ne.jp>
URL:http://www13.ocn.ne.jp/~gymkichi/
元体操経験者さんが具志堅先生やご自身の例を挙げておられましたが、ケガや障害そのものを克服したというよりも、実は「筋力不足や技術欠点や精神的弱さを発見」して、それを克服していたのでしょうね。だからこそ、復帰したときにメダルや記録を掴むことができたのだと思います。・・・それにしても「七転び九起き」クラスですよね(笑)。

>体操大好き母さん
スタンド宙返りとブリッジは平気で、後転とび「への」連続に障害ありですね。では、ロンダードからの後方抱え込み宙返りはできますか?

もしこれができるのであれば、ロンダードからテンポ宙返りの練習で「手をつかない後転とび」の感覚を養いながら修正を行うという方法もあります。この練習は、蹴る瞬間の骨盤周辺の筋肉の使い方を安定させるのに効果的ですし、視線の使い方と跳びだし角度の関連性を試行錯誤することもできます。

もしこれが恐くてできなければ、倒立からはね起きしての後転とびの練習に戻す中で、後転とびの開始姿勢のチェックを行い、さらにロンダードの終了姿勢がこれと同じであるかをチェックするという方法が考えられます。

首や視線の問題だけでなく、おっしゃるように成長で体のトータルバランスが崩れた時には末梢(手先や足先)の位置(距離や向き)感覚も狂うことが考えられます。
そんなときにはM(p^^)pさんご紹介の「後方1/4宙返り」「後方3/4宙返り」が特におススメだと思います。足先を見つめながら後ろへ倒れたり、トランポリンのベットに足先を打ちつける「感触」を空中姿勢から結びつける作業で、身体感覚のリセットが進むかもしれません。

同様にマットでの基礎練習では接転系(前転や後転)や側転などの回数を増やし、末梢をはじめ全身を数多くマットに触れさせて身体感覚のリセットを狙い、同時に基礎姿勢の確認と筋力の建て直しを図ってはどうでしょうか。

・・・さぁ、発見発見〜♪
(=^o^=) ( No.9 )
日時:2006/04/28 17:25
名前:M(p^^)p
>体操に向ける真剣さが、小学生時のスポーツクラブとは比較にならないほど必死であったそうで、自分の「好き」がそれほどのものなのかと自問自答して、自信がなくなってしまったとの事。

よく分かります(≧∇≦)b
自信なんて必要ありません。好きならそれだけでOK(=^o^=)
よくアドバイスすることがあります。
練習に出たら・・・
声を出してください。大きな声で仲間や自分に声を掛けてください。
走ってください。種目の移動もセッティングもカッティングも走って体育館を移動してください。この2つを続けたらきっとやる気も出てきます。勇気も出てきますよ!(^^)!

>正しいかどうかはわかりませんが、娘の年齢から、ここ半年くらいで身体が急に大きくなってきて、今まで考えることなく自然に出来ていた技のタイミングが少し狂ってきて・・・

これは大いにあります。成長期の選手(特に女子)は影響大ですね(T□T)
やはり、じむきちさんの書いている通り基礎練習を中心に再度動きの確認が必要ですね。大丈夫!感覚はそんなに簡単には無くなりません。簡単な技を強く速く実施しながら反復すれば、車幅感覚(?)も戻ってきますよ。
感覚のリセット、スタート! ( No.10 )
日時:2006/04/29 05:07
名前:体操大好き母
なるほど、対策の仕方も的が絞られてきました。ありがとうございます。

じむきちさんの質問してくださっている、ロンダードからの後方抱え込み宙返りは、本人は、時々躊躇しそうになるけれど大丈夫、と言っています。ロンダードから直接だったら伸身もひねりを加えても大丈夫のようです。でも、ロンダードからのテンポは、一年前に床の演技に入れていましたので1シーズン試合したにもかかわらず、今は怖くて出来ないようです。そこで、アドバイスにあった、倒立からの後転とび開始姿勢とロンダード終了姿勢が同じであるかのチェックから始めることを提案してみます。(もしかしたら、知らず知らずのうちに後転とびのためのロンダードの足入れやつきおこしが不十分になっているという可能性もありますよね。)それからトランポリン使用で「後方1/4背打ちと3/4宙返り腹打ち」ですね。そしてM(p^^)pさんのおっしゃる、「簡単な技を強く早く実施しながら反復する・・・」、これは、成長する子供の身体に比例した力とスピードを付けるための大切な意識だと思いました。この意識を持って練習するだけでも、「新たな発見・克服!」に結びつきそうです!

心の面については、娘がいろいろな技が出来るようになってきて、昨シーズンまで大会でもよい成績をとり続けていて、コーチや親や周囲の期待が大きくなって、プレッシャーが大きくなると共に自分の中でもこのままいく、という「油断」のような気持ちもあったと思います。今、この恐怖心の問題にぶつかって、今まで気づけなかったことに気づいて、一歩前進できる機会を得たのですね。この問題を少しずつでも克服する努力をしている過程で、娘も周りも皆一歩前進できそうです。こういう体操競技の難しさ、それを乗り越えた時の喜びも含めて本当の体操の楽しさを探求してチャレンジを楽しんでいけたら最高ですね。皆さんの、貴重な助言、本当にありがとうございます。

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